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性行為と読み聞かせはともに【愛】があってのこと。

おはようございます。



とても品のいい方は、食事の時にとても姿勢を正して(そうした方は大抵とても姿勢がいいのですが)ゆっくりと、一口を大切に食べるようにしていらっしゃいます。



「私はそれほど頂けない年ですからね」と笑いながらも、こうして食べることで食材のもつ美味しさを、よりもっと堪能できているとおっしゃいます。



その佇まいは、食事という行為をただの栄養補給ではなく大切な儀式のように「整える」行為のように見えました。



アリス・ギイという女性がいた。

120年以上前に『キャベツ畑の妖精』という映画を撮った人。彼女はその後1000本もの「映画」を撮り、多くの技法を編み出しながらも誰もそのことを知らないでいた。

彼女は映画を「映像の見世物」から「物語を語るもの」へと変化させた。

「語ること」にするよう「整えた」のです。



物語がどれほど大切な事なのか、きっと皆さまは気づいていらっしゃることでしょう。

ある童話で、仲間が協力し合うという事の大切さを知る。

ある語りで、自分が行動することの大切さを知る。

ある小説で、人を愛することゆえの人間の行動のゆがみを知る。



物語にすることで、この世界の美しさを知る。



食事にも、その食材ひとつひとつにも物語がある。



あるご婦人はいたずらっ子のように笑顔を浮かべながら僕に教えてくれます。

「ひとつのキスに物語を感じさせることが【愛】というものよ」



なるほど、そう感じます。



セックスはただの生殖行為になるのか、快楽だけのものになるのか?

もちろん、それを求めている人もいる。

ただ、そこに物語があれば、

「愛なんだ」と感じることができる。



相手の目に、想いのこもった視線を向ける。

抱きしめる手に、優しさをのせる。

自身の気持ちの高鳴りを、相手に届ける。

そして相手の鼓動を聴く。

そうしたことひとつひとつに集中する。

なんと美しく、愛おしい事でしょう。



「愛してる」という言葉は無粋に感じるかもしれません。でも伝えることは純粋な思いからの行動。

抱きしめた彼女に、その耳元にとびきり美しい言葉を贈る。



「想い」と向き合い、抱きしめるという「物語」に込められた【愛】を感じること。

その「物語」に人は心から感じるのでしょう。



僕は「演出家」という職業柄、よく「AVのような激しいこと」を求めるイメージと思われがちですが、一度でも僕の作品に、時には僕自身にお会いしたことのある人はそうした「AV的」なイメージの対極にあると理解してくださいます。

実際にAVとは言いませんが、そうしたSEXYな映像作品のオファーを随分前に頂いたことはありますが、僕自身の「官能に対する想い」と世間(男性ユーザー)が求めていたものとは随分と隔たりがあったのでお断りしました。きっと引き受けたとしてもクビになったでしょうがね(笑)

きっと、僕が撮るとしたら二人で手を繋いで語らうばかりの退屈なものになったでしょうから。



でも、僕はそうしていることがもっとも素敵だと思っています。

手を繋いでいることで、相手の体温を感じながら相手のことを知ることで心に触れる。ちょっと官能的でもありますよね。セックスはコミュニケーションであるべきだと思っています。

「相手を想う」

その大原則があってこそだと思います。

もちろん相互理解の上でなら、激しい行為もあってしかるべきだと思いますけどね。



最近では理解されることも増えましたし、スローセックスという言葉も生まれ「相手を想う営み」としてのセックスが少しずつではありますが浸透していっているとおもいますが、それでもまだまだですね。



僕のところにいらっしゃる方の多くは、やはりセックスに対しての恐怖心がある方です。

「無理に」や「早急な挿入」などで痛い思いをされて、それでも相手に対しての気持ちから我慢を重ねてこられた方が多いです。



僕は「感じる」のは「心」ですから、先ずは心がほぐれるように語り掛けることから始めます。ゆっくりと。

気持ちを「整える」こと。



直接的なマッサージも、硬いままでは逆効果。

先ずは「心」です。

プラスのエネルギーを与えるのを控えて、お客様の気持ちを飽和する。プラスマイナスゼロの形にすることから始めます。

本当の意味で「整える」わけです。



そう、それらは全て「物語」なのですから、導入部は大切です。

それがないと魅力的な物語を語ることは出来ませんからね。



物語を語るとき、それを聴く人を想うのは当たり前なんですよね。

たとえば子供に絵本の読み聞かせをするときは、その子を喜ばせたいと思わないと幸せな物語体験など出来ません。



きちんと相手を【想う】こと。

そう【愛】なんですよね。


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